特定健康診査が始まりました、積極的に心電図検査を受けましょう

5月から長野市で特定健康診査(特定検診)が始まっています(10月14日まで)。これは長野市国民健康保険加入者で今年度40歳以上の方を対象に実施するものです。後期高齢者医療制度に加入している方、30歳代の国保加入の方もそれぞれ検診を受けることができます。最寄りの医院(クリニック・診療所)、病院(長野中央病院はかかりつけの方で定期受診時のみ)で実施中です。積極的に受けましょう。 2018年から高血圧の方、不整脈が疑われる方は心電図健診が受けられるようになりました。長野市では昨年から全ての受診者に実施しています。心電図で何がわかるのか解説したいと思います。

長野中央病院心臓病センター センター長 医師 河野 恆輔

心電図でわかること

心電図は心臓の電気的な活動を調べる基本的な検査です。心臓は全身に血液を送り出し受け取るポンプの役割を果たしています。心臓の拍動は規則正しく発生した電気信号が、心臓の筋肉に伝わり、心臓全体で収縮、拡張を繰り返して役割を果たしています。その電気信号を記録するのが心電図検査です。
心電図は心臓のいろいろな異常の早期発見につながる検査です。特に虚血性心疾患と言って狭心症や心筋梗塞、心不全に繋がるような心筋の異常などが早期にわかります。特に心臓の電気信号の発生や伝達の異常である不整脈の診断には、なくてはならない検査です。

心電図検査

怖い不整脈と怖くない不整脈

不整脈には脈が飛ぶような期外収縮、脈が速くなる頻脈性不整脈、脈が遅くなる徐脈性不整脈があります。多くは脈が飛ぶ期外性収縮で、心房から発生するものと心室から発生するものがあります。どちらも、問題ないことが多いですが、狭心症や心筋梗塞の発見につながる場合もあり、初めて指摘された場合は精密検査が必要なこともあります。
頻脈性不整脈には発作時に記録されなければ診断できない場合もありますが、心房細動のように持続しても症状がなく、検診で初めて指摘される場合もあります。
心電図の異常が突然死に繋がる不整脈を予測できることもあります。心房細動は放っておくと脳梗塞や心不全に繋がる危険な不整脈です。極端な徐脈性不整脈(脈拍で40以下)の場合は、すぐに治療が必要な場合もあります。

症状がある場合は 早めの受診を!

不整脈を指摘されたら

心電図検査で異常を指摘された場合、特に不整脈を指摘された場合、大きな病院の循環器内科を受診するようにしてください。症状がない場合でも脳梗塞、突然死、心不全を引き起こす危険な状態に進行することがあります。放置せず受診するようにしましょう。
長野中央病院心臓病センターでも検診の二次検査を常時受け付けていますので、お気軽に受診してください。

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