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夏に気をつけたい感染症

暑さが厳しくなる夏は、熱中症だけでなく「夏ならではの感染症」にも注意が必要です。冬に流行するインフルエンザは少ないものの、幅広い年齢層に影響を及ぼすウイルスや細菌が活動しやすくなります。

長野中央病院医局

夏に流行しやすい感染症

代表的な疾患には次のようなものがあります。

■感染性胃腸炎(ウイルス・細菌性)
高温多湿の環境は細菌が繁殖しやすく、食中毒の原因にもなります。カンピロバクターやサルモネラ菌、病原性大腸菌(O157など)に加え、ウイルス性の胃腸炎(アデノウイルスなど)も見られます。主な症状は、下痢・嘔吐・発熱です。

■咽頭結膜熱(プール熱)
アデノウイルスが原因で、子どもを中心に流行します。高熱・のどの痛み・結膜炎(目の充血)を伴い、プールの水を介してうつることもあるため「プール熱」とも呼ばれます。

■手足口病・ヘルパンギーナ
いずれもウイルス性で、乳幼児に多くみられます。口の中の痛みや水ぶくれ、手足の発疹などが特徴です。多くは自然に治りますが、まれに合併症を起こすこともあるため注意が必要です。

■蚊が媒介する感染症(デング熱・日本脳炎など)
国内では稀ですが、海外や蚊の多い地域では注意が必要です。日本脳炎は予防接種で防げます。

感染を防ぐには?

ウイルスや細菌の感染は、日常生活のちょっとした工夫で防ぐことができます。

●食べ物は十分に加熱し、調理後はすぐに食べる。
●石けんでこまめに手を洗う。
●プールの後は目や口をしっかり洗う。
●タオルや食器は共有しない。
●水分をしっかりとり、体力を落とさないようにする。

夏の感染症は、特に子どもや高齢者にとって重症化しやすいこともあります。「暑いからこそ感染症も注意が必要」と心に留めて、楽しく健康に夏を乗り切りましょう。

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