「適応障害」は無理せずに

4月ということで、みなさん新しい環境、不慣れな場面に多数遭遇されるかと思います。今回は、極度のストレスなどによって患う「適応障害」に関してお話させていただきます。無理をする必要はありません、つらいと思ったら、その場から一度身を引くことはとても大切です。

長野中央病院 循環器内科 医師 深澤 晶

「適応障害」とうつ病は違う

「適応障害」とは、新しい環境や変化に適応することができずに、身体や心に不調をきたす状態を指します。

うつ病との違いは、適応障害は明らかなストレス的要因がありますが、うつ病は原因が不明であることが多々あります。また、うつ病は原因と考えられるものを取り除いたとしても改善がなかなか見込めません。慢性的な抑うつ状態といえ、専門的な治療を要します。原因は脳内のホルモンバランスの乱れや生活環境など多岐に渡り、深刻な症状を示します。適応障害は原因の除去によって早急によくなる傾向があります。

専門家のサポートも大切

適応障害に陥った場合、自分自身の状態をよく理解し、対処方法を見つけることが重要です。まず自分のストレスの原因を洗い出し、ストレスを軽減するためのアプローチを試みます。

新しい環境に馴染めない場合は、無理をせず少しずつ自分を新しい環境に慣れるようにすることが必要です。また、自分自身のストレスを発散するための時間を作ることも重要です。たとえば料理や旅行、運動などの趣味をすることでリフレッシュすることができます。

適応障害の治療には、カウンセリングや認知行動療法、薬物療法などがあります。自分で対処できない場合は、専門家のサポートを受けることがとても重要です。

お子さんが困っていたら…

新しい環境に適応することは、誰にとっても大変なことです。自分自身の状態をよく理解し、適切な対処方法を見つけることで適応障害を克服し、健康な生活を送ることができます。

特に小学校~高校までの年代は非常にデリケートです。お子さんがもし困っていたら、まずはとにかく聞いてあげてください。何も言ってくれない場合は、そっとそばにいてあげてください。受け入れることから全ては始まります。対立せず、常に味方であり続けてください。一緒に同じ方向を向くと、少しずつですが心を開いてくれます。

人生100年、いやそれ以上の時代となります。1年や2年、誤差です。気長にいきましょう。今年度も皆様が幸せでありますように。

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