透析って何

長野中央病院 内科 医師 福地 聡

腎臓が悪くなると

最近健康診断で腎臓が悪い、と言われる機会がずいぶん多くなったと思います。また、病院でも時々、「世界腎臓デー」というポスターが貼られているので、目に耳にする機会は昔より増えているのではないでしょうか?

でも、いまいち腎臓病はイメージがつかないですよね?

シンプルに言うと、腎臓は悪いものを出すところです。そこが悪くなると、悪いものがたまります。

透析療法の導入

腎臓が悪くなると外来で通院になります。腎臓が悪くなるのは糖尿病や高血圧によることが多く、その原因を取り除いて腎臓が悪くなるのを防ぐのが目標になります。

しかしそれだけでは治療がうまくいかないことがあり、透析になることがあります。透析は、たまった悪いものを取り除くべく血液を機械で洗う作業をしますが、多めの血液を抜かないといけないので、専用の回路が必要となります。

そこで血管を太くするために、血管の血液の流れを多くする手術をします。手術は1時間以内で終わる小さい手術で、その手術後、数週間して血管が太くなったところ(この太くなった血管をシャントといいます)から透析をします。

透析通院

週2~3回で1回3~4時間透析をし、血液を洗います。透析をする間に血圧が下がったりシャントがつまったりするなど、透析の生活は大変なことが多いのは確かです。

しかし、現在の医学で、臓器がだめになった場合に機械で代用できるのは、一般的には腎臓しかありません。透析をしても元気で仕事している方、90歳から透析をして元気な方は多くいます。

我々スタッフは、外来治療により透析療法導入までいかないように努力します。しかし、たとえ透析になっても人生は十分明るいですし、透析の通院もできるだけ融通をきかせるようにしています。お気軽にご相談ください。

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