心臓突然死を防ごう!

長野中央病院・循環器内科 医師  板本 智恵子

突然死の6割が心臓突然死

日本では年間約10万人の突然死があり、そのうち約6万人が心臓突然死といわれています。私も40歳を過ぎ、同年代の人の健康が気になる年齢になりました。多くの人は元気かもしれませんが、動脈硬化は無症状のまま進行しますので、早い段階での予防が大切です。

特に40、50歳を過ぎると、男性では心筋梗塞のような生命に関わる疾患が増加します。女性は女性ホルモンに血管が守られていますので、糖尿病などの病気がなければ10年ほど心筋梗塞を起こす平均の年齢が遅くなります。

動脈硬化に注意

心臓突然死の5割程度が心筋梗塞、狭心症と言われています。狭心症や心筋梗塞は心臓を栄養している血管に動脈硬化が起こり、血管が狭くなったり詰まったりして起こります。それにより心筋の電気的興奮が乱れ心室細動などの危険な不整脈が起こりやすくなります。

突然死を予防するには、動脈硬化の危険因子を避けることが大切です。食べ過ぎ、運動不足、たばこなどの生活習慣を改善しましょう。また高血圧、糖尿病、脂質異常症などがあればきちんと治療をしましょう。胸痛、息切れ、浮腫、動悸、失神などの症状がある人は我慢せずすぐに受診をしましょう。

健診で早期発見を

健康診断で心電図、胸部X線を受けることにより、症状がなくても、狭心症、心筋症などが早期に発見され重篤になる前に治療が可能です。

長野市国保特定健診の受診率をみますと、男女ともに若年層で低い傾向があります。平成23年度に42~55歳の人で過去2年間に長野市国保特定健診を受診しなかった5000人を抽出し1028人から回答をえたアンケート結果があります。回答者の職業は、 自営、 無職、パートの人が多く、忙しくて受ける時間がない、自己負担が高い、健康だからなどの回答でした。私たちの世代は、経済状況が厳しい時代に社会に出ています。医療生協でも病院を受診しない人の健康を考える活動が大切だと思っています。

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