皮膚疾患について

8月から皮膚科外来を担当している小口真司です。火曜、水曜、木曜の午前 ・ 午後と第1・第3・第5土曜日の午前に診療を担当しています。 今回は、日常生活でよく発症する代表的な皮膚疾患について説明します。

長野中央病院 皮膚科 医師 小口 真司

水虫について

水虫は、白癬菌という真菌による皮膚の感染症です。家族内での感染が最も多く、足拭きマットやスリッパなどから感染します。治療は外用剤を数か月間続けて塗布します。また、爪にも白癬菌が感染することがあり、足の水虫の約50%が爪水虫を合併しています。爪水虫は飲み薬での治療が有効です。

いぼについて

いぼは、ヒトパピローマウイルスによる皮膚の感染症です。手、足の表面にざらざらした大きさのさまざまな円形の病変が1個または複数個見られます。液体窒素(マイナス195℃前後の透明な揮発性の液体)やヨクイニン(ハトムギの成分のひとつ)などで治療します。

虫刺されについて

カ、ブユ、ハチなどに刺されると、皮膚が赤く腫れ上がり、強いかゆみや痛みを伴います。ステロイド外用剤や抗アレルギー剤の飲み薬などで治療します。また、まれにハチに刺されて意識障害、呼吸困難などのアナフィラキシーショックを引き起こすことがあります。その際には、予防としてエピペンという昇圧剤を含有した自己注射器を持参してもらうことがあります。

帯状疱疹(たいじょうほうしん)について

帯状疱疹の原因ウイルスである水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化によって起こる疾患です。顔やからだの片側に限局して帯状に配列する水疱、紅斑が見られます。ぴりぴりした神経痛を伴います。また、皮膚症状が改善しても、しばらくの間神経痛が残ってしまうこともあります。抗ウイルス剤や痛み止めの飲み薬などで治療します。

蕁麻疹(じんましん)について

全身の皮膚にやや盛り上がった地図状の皮疹が見られ、強いかゆみを伴います。原因は不明なことが多いですが、免疫力が低下した時(風邪をひいたり、疲れがたまった時など)に起こることが多いです。ある特定の食物でのアレルギー症状で生じることもあります。抗アレルギー剤の飲み薬や注射剤などで治療します。

皮膚疾患は比較的日常生活でよく起こる病気ですので、何かお困りになることがありましたらお気軽に皮膚科までご相談ください。

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