インフルエンザは予防が肝心!

長野中央病院 感染対策室 師長 小林 史博

毎年冬季、特に11月~3月に流行するインフルエンザ感染症は、インフルエンザウイルスが体内に入り増殖して発症します。日本では毎1000万人ほどが発症しているといわれ、最近ではニュースなどでも報道され、今や冬の風物詩となっています。

インフルエンザウイルスは感染力が非常に強く、抵抗力が弱い高齢者や乳幼児は感染しやすく重症化しやすい特徴があります。

感染経路は人から人へ

インフルエンザ感染症に感染すると2~5日で、高熱(38℃以上)、咳、咽頭痛、頭痛、関節痛などの症状が出現します。

インフルエンザウイルスは、自分から歩いて人に感染することはありません。おもな感染経路は、インフルエンザ感染症を発症した人の咳やくしゃみでウイルスを含んだ唾液や痰が飛散し、そのウイルスが人の手を介して感染が拡大します。そのため唾液や痰の飛散による飛沫感染予防として適切なマスクの装着と、人の手を介した接触感染予防として手と指の消毒が重要となります。

マスクと手指の消毒が大事

感染してから症状が出るまでの期間を潜伏期間といいます。その期間は症状がないため、自分が気づかない間に他人にウイルスをうつしている可能性があります。そのためにもマスク装着と手と指の消毒が大切となります。

マスクや手と指の消毒と同じく、インフルエンザワクチン接種も大切な予防策です。ワクチンは感染予防とともに、感染したとしても重症化の予防につながるため長野中央病院ではワクチン接種を推奨しています。

インフルエンザ感染症の症状が落ち着いてからも1週間程度は体内のインフルエンザウイルスが排出されることがあるため、その期間も手指消毒やマスク着用で人にうつさない対策が必要です。

感染拡大予防にご協力ください

長野中央病院でも手洗いや手の指の消毒、マスク着用などの対策を取りながら、必要に応じて入院患者さんの制限、面会制限を設け、インフルエンザの拡大を予防しています。

しかし、インフルエンザ感染症は一人ひとりの意識と協力で、感染の拡大が予防できると考えます。流行期に来院される際はマスクを着用し、来院時や帰られる際は手と指の消毒や手洗いを行ってください。患者さんには入院、退院、外泊・外出制限、ご家族、面会者の方には面会制限などへのご理解ご協力をよろしくお願いします。

目次