そけいヘルニアの治療
2022年04月01日
2020年9月の外科ヘルニア外来の開設時に、「みんなの医療」に〝そけいヘルニア〟の紹介をさせて頂きました。 おかげをもちまして大勢の方に受診をいただきました。「みんなの医療」の記事を握りしめ受診いただいた方もいらっしゃいました。お待たせしないために外来の予約枠をつくらせていただきましたが、当日飛び入りにて受診いただく方も多く、飛び入り受診の方は少しお待たせしてしまったことをお詫びいたします。また、近隣の先生方からも多くのご紹介をいただきました。誠にありがとうございました。 2021年1月と2月には、信越放送のラジオ番組『こんにちはドクター』と、テレビ信州のテレビ番組『奥様はホームドクター』に出演させていただき、そけいヘルニアのお話を多くの方にさせていただきました。 30代から最高齢98歳の方まで年齢層は多岐に渡りましたが、70代の方が最も多く、80代90代の方も全体の1/4を占めました。女性の方は16%でした。 そけいヘルニアは良性の疾患ですが、生活の質を低下させてしまう可能性があります。また、時に緊急の治療を必要とすることがあります。自然治癒は望めないため治療は手術療法です。現在は腹壁の弱い部分にメッシュと呼んでいるシート状のあてものをして、腹圧でヘルニアが突出しないように壁を作る手術方法が主流です。 ヘルニアにも種類があり、年齢も若い方からご高齢の方までと実に様々です。合併症を持っている方も多くいらっしゃいます。また、手術を行う際には、安全で適切な麻酔が必要です。一人ひとりの方のヘルニアの状態と、からだ全体の状態をしっかり考えて、最も安全な手術法・麻酔法を選択したいと考えます。 手術数は増加し2021年は年間100例を超え、以前の1.5倍になりました。これからもさらに積極的な治療を進めていきたいと考えております。火曜日11時からです。立った時にどちらかの足の付け根〝そけい部〟の突出が気になる方は、ぜひ『そけいヘルニア外来』にお越しください。
長野中央病院 外科部長 成田 淳