いっしょに禁煙しましょう！

「みんなの医療」に掲載させていただくのは2回目になります。今回のテーマは禁煙です。タバコは自分だけでなく周りにも悪影響があることはすでに知られていますが、具体的にどう悪いかご存知ですか。

癌をはじめとして、脳卒中や心筋梗塞、慢性閉塞性肺疾患、さらに糖尿病や歯周病など非常に多くの病気に関連しています。さらに、女性の場合は妊娠出産への影響もあるとされています。世界中で年間７００万人の方がタバコ関連疾患で亡くなっているとも言われています。

また、他の方からのタバコの煙を吸わされることを受動喫煙といいますが、わが国では受動喫煙で年間1万5000人の方が死亡しているともいわれており深刻な問題です。乳幼児突然死症候群と言って、特別病気のない乳幼児が急に亡くなる怖ろしい病気がありますが、これも喫煙と関連していると言われています。

近年は加熱式タバコやＶＡＰＥの使用率も増えています。業者は加熱式タバコは「有害物質90％オフ」とうたっています。禁煙はしないが健康被害を減らしたい、という喫煙者の心理をうまくついた商品であると言えます。しかし、その安全性についてはまだ明らかにはなっていないのが現状です。

タバコの煙にはニコチンが含まれており、これには依存性があります。ニコチン依存症チェックシートを載せておきます。これで5つ以上あてはまる方は、ニコチン依存症になっている可能性が高いです。

タバコの有害性について記載してきましたが、禁煙に興味を抱くタイミングはなにかしらのライフイベントがきっかけになることが多いです。子どもが生まれたから、孫の成長する姿を見たいから、タバコが値上がりしたから、喫煙所に行くのに時間がかかるから、などです。

禁煙に興味があるのになかなか一歩が踏み出せない方、当院の禁煙外来にぜひ一度お越しください。皆さんの生活の中からヒントを探し、その人にあった指導をしていきます。禁煙継続のコツなどをお伝えしながら、禁煙の補助となる貼付剤を処方します。

ニコチン依存症は病気の一種です。一人の力で治すのには限界があります。ご家族、ご友人、私含め医療スタッフみんなで治していきましょう。