おたふくかぜ・みずぼうそうワクチンは2回接種の時代です
2012年11月01日
ワクチンは病気の予防のための最良の方法です。その本来の効果を発揮させるために、おたふくかぜやみずぼうそうのワクチンは「2回接種」時代に入っています。ためらわず2回目の接種をうけるようにしましょう。
長野中央病院 小児科医師 番場 誉
麻しんはワクチンの2回接種でようやく流行しなくなりました
ひと頃、麻しんが大学生など青年層で流行したのは記憶に新しいところです。ワクチンをうけていない人だけでなく、1回接種していた人までもかかったのです。だんだんと社会の中の患者さんが減ってきた現代では、1回の接種で作った免疫が長続きしなくなったためで、これは充分に予想された事です。
多くの国が早めに2回、3回と移行していたのに、日本ではそれが遅れたために麻しんの撲滅に至らなかったのです。
おたくふかぜやみずぼうそうも、 1回のワクチンで一生の免疫を期待できなくなっています
たとえば、みずぼうそうのワクチンは、現在のところ1回の接種をうけた子の2人に1人は、その後に軽いみずぼうそうにかかる時代になっています。1回できっちりとできた免疫も、まわりにみずぼうそうの子が少なくなってきたために弱まってしまうようです。
かつては「1回でいいよ」といっていたのですが、これからは2回やってはじめて安心できるのです。今はよくても、のちのちの事を考えれば、2回目まで接種する事は有意義です。
2回目できるだけ早く、1年以内にうけるのがお勧めです
1回目は1歳になってすぐにうけるのがいいです。可能ならおたふくかぜ、みずぼうそうを2つあわせて同時に、チャンスがあればさらに他のワクチンと同時にうけるのがお勧めです。そして、2回目は1年以内に、もし保育園や幼稚園に入るのであれば遅くともその前に済ませましょう。そうすればおたふくかぜやみずぼうそうにかかって園を休む事は本当になくなります。
故意にかからせるのは危険です
ワクチンを接種しないでかからせたほうが安く済むし、それだけ丈夫になると思っているなら、それは大きな間違いです。
かかったときの保育園や学校の欠席や看病を考えたら、ワクチンのほうが安く済みます。また、故意にかかることは子どもを後遺症の危険にさらすという決定的な問題があります。
後遺症はワクチンのほうが断然少ないですし、強い免疫をつけることは2回接種をすれば充分に達成できるのですから、子どものことを大切に考えるなら、ワクチンで予防してください。
医療生協はワクチンが安くうけられます
海外ではワクチンは無料接種(料金は公費で負担してくれる)のが常識です。しかし日本ではおたふくかぜやみずぼうそうのワクチンは未だに全額自己負担です。早く無料でうけられるようになってもらいたいと小児科医の団体は国に要求をしているところですが、すぐにはむずかしそうです。
少しでも気軽に接種していただこうと、長野医療生協では組合員さんを対象に安くうけられるようにしています。ホームページで確認するか、小児科外来にお問い合わせください。