500例をこえた 長野中央病院での冠動脈血管内治療の推移
2016年04月01日
長野中央病院院長 循環器内科 医師 山本 博昭
冠動脈血管内治療をはじめて15年
当院で心臓カテーテル検査を開始したのは1990年10月23日でした。約1億円の投資をして、1階の現在のMRIのある場所に東芝製の血管撮影装置を買っていただきました。初日は血栓塞栓症性肺高血圧例と心筋梗塞例の検査をしました。
1991年8月23日から冠動脈血管内治療(PCI)を開始しています。初めての方はその後15年以上発作もなくお元気でした。当時は心臓外科がないと危険が高いという論議もありましたが、幸いその後ずっと大きな事故もなく、治療を発展継続してきました。
昨年末、514例に到達
新規の技術導入が5年毎位にあり、手首からの治療、ステント治療、血管内エコー、ロータブレーターなども他院所の見学をしたり、指導に来ていただいたりして導入してきました。
10年以上前から長野県下では年間の治療件数は一番多くなっていましたが、この10年近くは400件台にとどまっていました。私が専門医試験の試験官で東京の有名病院に行ったおりには、その病院の院長に500件はひとつの壁で、「先生のところはなかなか超えられないね」と言われたこともありました。
しかし昨年は特に適応を変更したわけではないのに1月から着実に途切れることなく対象患者さんがいて、12月末についに514例まで到達しました。
救命のために力を合わせて
カテーテル治療を数多く実施するには、医師の力量、熱意もありますが、看護師や放射線技師、検査技師、臨床工学技士などの体制、熱意などが必須です。幸いみなさん自覚を持って患者さんの救命のために緊急時にも参集していただいています。
当院では県内でわずかの病院しか行っていない特殊なカテーテル治療もいくつか行って、日々技術の向上に努力しています。血管内エコーや光干渉断層法、血管内圧検査、CT検査など、さまざまな補助機器も利用しつつ安全な治療に心がけています。ひきつづきのご支援をお願いいたします。