長野中央病院に新しいCTが導入されました

10年3か月稼働した16列CTを昨年11月から64列CTに更新しました。これにより長野中央病院では64列CTが2台稼働することになりました。 今回新たに導入したCTは、PHILIPS社製の「Ingenuity Elite」という装置です。16列と比べて次のような優位性があります。

長野中央病院 放射線科 主任 竹内 和幸

早く、細かく

16列CTに比べて息止めが短くなりました。胸部の検査では10秒位の息止めが約5秒と半分近く短くなりました。また、細かく情報を取得する場合でも息止めの時間は長くなりません。胸腹部や整形系など長い撮影範囲でも「早く、細かく撮影する」ことがさらに進みました。

特殊な検査にも対応

以前では特殊な検査だった心臓や血管系の検査も両方の64列CTで行うことができます。それ以外の部位でも以前より詳しく検査することが可能になりました。また、どちらかのCTが故障して動かなくなってももう一方の装置で検査可能なので、検査ができなくなるという事態が解消されました。

被ばく低減

64列CTには、被ばくを低減するソフトウェアも搭載されています。これは、64列CT両方に搭載されており、診療に影響の出ないように画像を管理しながら被ばくの低減にも努めています。現在は胸部や腹部では今までの約20~30%被ばくを低減して検査を行っています。

また、新しいCTには最新の画像処理技術が搭載されていて、さらに被ばく低減が可能です。使い方によっては造影剤の使用量も減らすことができるので、このあたりは医師と協力して、画質を保ちながらも患者さんの負担が減るように進めていきたいと思います。

このほかにまだ紹介しきれないものもありますが、64列CTの性能を十分に引き出せるよう日々研鑽し、患者さんの治療に貢献できるよう努力していきたいと思います。

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