陥入爪(巻き爪)を治そう!

長野中央病院 皮膚科 医師 小口 真司

陥入爪(巻き爪)について

巻き爪は、爪の端が下側に弯曲した状態です。痛みを生じたり、細菌感染を起こして化膿することもあります。

巻き爪のできる原因とその予防は?

①爪の不適切な切り方
爪の角を切り過ぎたり、深爪をすると巻き爪になりやすくなります。爪はなるべく四角になるように切りましょう。

②歩く時の体のバランスの偏リ
腰や膝などに痛みがある方は、痛みのある足をかばうために、体のバランスが傾いていることがあり、巻き爪の原因となることがあります。バランスのよい歩き方を心掛けましょう。

③硬い靴や靴幅の狭い靴を履いている
革靴やパンプスなど生地の硬い靴を履いていたり、靴の先端が狭い靴を履いていると、巻き爪になりやすくなります。足と靴の間に余裕のある運動靴などを履くようにしましょう。

巻き爪の治療は?

①テーピング法
自宅でも比較的簡単にできる治療法です。粘着性の強いテープを使って、爪の横の皮膚から反対側の爪の横に向かって引っ張りながら貼ります(皮膚と爪の間に隙間を作ることにより、痛みが軽くなります)。

②マチワイヤー法
巻き爪の症状が強い方には、超合金の細いワイヤーを爪の先端の両端にかけて固定して、爪を外側に広げる治療法が有効です。1回の治療で改善することもありますが、爪の広がりが不十分な場合には、治療を数回繰り返すこともあります。治療による痛みはほとんどありません。

③VHO法、ポドフィックス法
爪の横にワイヤーをかけて、爪を上方向に引っ張り上げる治療法です。

④ガター法
巻き爪で炎症を起こしている場合に、局所麻酔をしてから爪の端にチューブをはめて固定する治療法です。

⑤フェノール法
局所麻酔をしてから爪母(爪のできる元の部分)をフェノール液で焼灼して、食い込んでいた爪の端を生えないようにする治療法です。

巻き爪でお悩みの方はご相談下さい。

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