知って納得・安心・有効活用! こどもの解熱剤
2015年07月28日
長野中央病院 副院長・小児科 医師 番場 誉
有効成分はアセトアミノフェン
こども用の熱さましの成分であるアセトアミノフェンは100年以上の歴史と実績から安全性の最も高い解熱剤で、妊婦や授乳中の女性、老人にもよく使います。こどものインフルエンザにも安心して使えます。
形による効果の違い
意外と知られていませんが、こども用解熱剤は坐薬よりも飲み薬のほうが効果があります。
坐薬のほうが効くのでは?という誤解の理由として考えられるのは、大人の解熱剤は坐薬のほうがよく効くからだろうと思いますが、大人の熱さましは坐薬と飲み薬とでそもそも中身が違うからで、こども用には当てはまりません。
効果が出るまでの時間と効果の程度・持続
効果の出始めは30分、十分な効果はそこから3時間程度で、6時間たつとまったく効果がなくなります。最も効いている数時間は体温がおよそ1.5℃前後下がります。だから、大人用解熱剤のように平熱まで下がる効果を期待してがっかりしたり不安になる必要はありません。こどもにはそれが安全なのです。
解熱剤を使うことは悪いことではありません
「熱は下げないほうがかぜは早く治る」という見解がありますが、これはアンチ西洋医学派が強調する都市伝説みたいなもので、実際はそんなことはありません。
そもそも解熱剤を使う・使わないは、かぜの治りには影響しません。つまり、使ったほうが早く治るということもなく、ただ使いたいときに使ってみることです。効果がどれくらいかは使ってみれば分かります。
ぜひとも常備薬に
このようにこどもの解熱剤は気楽で頼りになる薬です。医師に出されて残った分は常備薬として保管し、後日に医師の診察を受けなくとも使ってよいです。
有効期限を知りたい方は、薬をもらうときに薬剤師に聞けば教えてくれます。幸い製造後有効期限は3年と長いので1~2年は安心して使えます。