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インフルエンザの流行を前に

ワクチンによる備えと流行時の対策について  インフルエンザの流行は、12月末から3月下旬までの約4か月のうちに必ずやってきます。実際の流行期間は、およそ1か月~2か月です。  インフルエンザワクチンの効果は、接種後2週間からおよそ6か月間ですから、希望される場合は早めに接種を済ませるようお願いします。

長野中央病院 小児科医師 番場 誉

年齢毎に違うインフルエンザワクチンの目的と効果

インフルエンザワクチンの効果を正しく理解しましょう!

高齢者および心臓・呼吸・腎臓・肝臓などに障害のある人

インフルエンザの発症は、ワクチン接種により6~7割程度予防されるとされています。ですから、接種を受けたからといって必ず予防されるというものではありません。

しかし、ワクチンの効果は「発症した時、肺炎などで入院する確率や予期せず死亡することを5~8割も減少させる」という点に最大の特徴があります。
かかっても、家でいつものように生活が続けられるように…これが高齢者や障害のある方々にワクチンが最も勧められている理由です。毎年必ず受けるようにしましょう。

それこそ万が一の備えとして安心のために受けておきたいとお考えの方にお勧めします。ワクチンの安全性は最近とても高いので、安心して受けていただけます。

子どもの場合、ワクチンによって発症を予防したり入院を回避できる効果は大人より低く、だいたい3~4割程度とされていますので、過信はしないで受けてください。


普通の子どもやふだん健康な成人

これらの人たちが、インフルエンザで入院したり死亡したりする事はめったにありませんので、高齢者のように積極的にワクチンを受けることは考えなくてもよいでしょう。

1回の咳でウイルスは10万個飛散…

マスクはうつる・うつすの両方に高い効果あり!

インフルエンザの流行期は、病院の受診や見舞いだけでなく、電車やバスなどの人ごみの中ではマスクをすることが大事です。病院や診療所の職員もマスクをつけて応対させていただくことも増えますが、ご理解ください。

最近、空気だけではなく、食器や手すりなどを伝っての接触による伝染もかなり多いことが、以前よりも強く疑われています。マスクと同じくらい手洗いも大事と考えられるようになっています。特に熱の出ている人を看病した時、うっかり手を洗わずに飲食されることがないように充分に注意してください。

それでもインフルエンザにかかることは完全には防げません。ふだんから睡眠不足や夜間の急な体の冷えに注意してお過ごしください。

周囲で流行がはじまり、自分もかかったかな?と思ったら…

まずは慌てず水分と安静で体力の温存を!

インフルエンザの診断や薬の使用は、半日や日待っても悪いことはありません。熱が出たというだけで、夜中に診断や治療を急ぐことはあまりメリットがありませんのでお勧めしていません。

症状の観察や検査でも、発症1日以内ではインフルエンザと診断できないこともしばしばあります。症状は筋肉痛などを伴って激しく感じられ、つらいかもしれませんが、一般的なかぜの対処でかまいません。

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