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健康・病気の知識

下肢静脈瘤に対する血管内レーザー治療

□長野中央病院 心臓血管外科医師  松村 祐

   下肢静脈瘤でお悩みの方は少なくありません。当院ではこれまで外科治療として主にストリッピング手術を行ってまいりました。ストリッピング手術は従来からある治療法で非常に有効なのですが、少なくとも2か所を皮膚切開しなければならないため、3〜4日程の入院が必要でした。
   今年1月から皮膚を切開することなくストリッピング手術と同等の効果を得られる治療として血管内レーザー治療が保険適応となり、当院でも9月より同治療を導入しました。本手術の利点は局所麻酔で施行できること、傷が残りにくいこと、翌日退院できること等です。


下肢静脈瘤とは

   下肢の静脈内に血液が鬱滞し血管が病的に膨張した状態で、通常、太ももよりふくらはぎで瘤が目立ちます。直接の原因は、大伏在静脈というくるぶしから太もも付け根まで走行する血管の弁機能不全であることがほとんどです。病気が進行すると、下肢のむくみ、重い感じ、かゆみ、皮膚の色素沈着、潰瘍をきたすことがあります。また美容上の問題でお悩みの方も多いようです。

治療法は

   病気の程度によって異なります。程度は診察と超音波検査で判断しています。程度が軽く、あるいは少々瘤が大きくても無症状で外科的治療を希望されない方に対しては、弾性ストッキングの着用をすすめています。静脈瘤が比較的大きく、大伏在静脈由来のものについては、血管内レーザー治療の適応となり得ます。ストリッピングでは大伏在静脈を抜去しますが、レーザー治療では大伏在静脈を内側からレーザー照射することで血栓閉塞させます。

血管内レーザー治療の実際

   まず局所麻酔薬を膝近くに注射し、大伏在静脈にカテーテルを挿入して、先端を大伏在静脈の上端(足の付け根の辺り)に合わせます。さらにカテーテルの周囲に局所麻酔薬を十分投与しておきます。カテーテルの中にファイバーを挿入しレーザーを照射します。超音波検査で大伏在静脈が閉塞していることと、深部静脈血栓症がないことを確認して治療を終了します。
   レーザーで直接治療できる部位は膝から上だけです。膝から下の静脈瘤に対してはレーザー照射後に、局所麻酔を追加し、2mm程の穴を皮膚にあけて、静脈瘤部分切除を行います。静脈瘤の原因である大腿部の大伏在静脈自体がレーザー治療されているため、ふくらはぎは瘤部分切除のみで大丈夫です。
   以上、下肢静脈瘤に対する血管内レーザー治療を御紹介いたしました。お悩みの方は心臓血管外科外来で御相談下さい。