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健康・病気の知識

高性能CT導入でより確かな治療へ

長野中央病院副院長  循環器医師 山本 博昭
長野中央病院副院長 
循環器医師

山本 博昭
 第8期増改築が終了して間もないこの時期ですが、高性能のCTを2台購入することになりました。 機械の老朽化が進んだことと、CT検査件数が1日30〜50例の数に1台では対応しきれないなどの理由で、2台同時の購入となりました。

世界的な技術革新で精度の高い撮影が可能に

 当院のCTは購入して8年くらいたちましたが、購入した直後からCTの技術革新が世界規模で進み、いわゆるマルチスライスCTと呼ばれる機械が登場してきました。  従来の機械はガントリーという内部装置の1回転で、1断面のみ取っていましたが、マルチスライスCTでは多数の断面が同時に撮れるのです。  
 今回導入した機械は、16列のCTと64列のCTの2台で 、16列CTでは1回転で16断面、64列CTでは64断面が撮れます。  
 64列のときの断面の厚さは0.625です。今までの機種は、当院では肺であれば1スライスで合計20断面程度撮っていましたが、新しい機械ではその16〜64倍の数の断面を、現在の半分くらいの時間で撮ることができます。 64列のCTは発売されて2年弱ですが、現在ある世界の機種のなかで最高のものとなります。当院の導入機種はオランダのフィリプス社製です。  
 県内では16列CTは10弱の病院で導入され、64列は数少なく、 16列もあり64列もある、という病院は長野県にはないようです。

荷が少なく精度の高い画像で病気の発見、治療に効果

今までのCTとの違いは次のようなことがあげられます。
図1腹部大動脈瘤の方の画像 図1
【1】
 非常に美しい画像が得られます。図1は腹部大動脈瘤の方の画像です。このような画像が簡単に撮ることができます。  
図2腹部大動脈瘤の斜めから見た立体画像画像 図2
【2】
 3次元で立体的な画像や従来の水平断面以外の、垂直方向の画像などが可能となります。図2は図1を斜めから見た立体画像です。
図3脳動脈瘤の方の画像 図3
【3】
 撮像時間が非常に短いので、息止めが短くてすみます。またその後の技師による画像処理の時間が短く、結果がすぐにわかります。
【4】
 血管や胆管などの管腔臓器がきれいに描出できます。図3は脳動脈瘤の方の画像です。 MRIによる血管撮影(MRA)は分解能力が低く信頼性に不安がありましたが、CTによる血管撮影は信頼性が高いといわれています。
CTによる撮影
CTによる撮影
【5】
 画像の情報量が非常に大きくて、すべてをフィルムにすると20枚以上となるため、診察室ではコンピューター画面で画像を見ることになります。 各診察室に高性能の専用コンピューター画面をそろえて、従来、X線写真をみるとき使用している白いシャーカステンという照明装置を使わなくなります。

16列は8月、64列は10月から稼動

 16列CTは8月下旬から稼動となり、64列CTは10月中旬からの稼動となります。一般の撮影は16列で行い、64列は心臓の冠動脈を中心に利用する方針です。
 冠動脈CTに関してはどの程度の画質になるか、症例を検討して、利点、欠点を対比しつつ本年12月くらいにまたご紹介したいと考えています。
 CT最新鋭の機械2台を購入という大きな買い物を、増改築工事のあと間もない時期にすることになりましたが、組合員のみなさまのご期待に必ずやこたえられるよう、職員一同努力するつもりです。