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健康・病気の知識

よい睡眠で元気な明日を

□稲里生協クリニック 内科医師  高松 輝

   私たち人間は、一生のうち約3分の1は眠っています。しかし、24時間生活になった現代では、多くの人が眠りに何らかの問題をかかえているといわれています。健康ブームで食事や運動には関心が集まりますが、眠りに関してはあまりにおろそかにされてはいないでしょうか。
   日本人の三大死因であるガン、心疾患、脳血管疾患も、よい眠りが得られないとかかるリスクが高まることがわかってきました。睡眠不足は免疫力を低下させガンを発生させやすくします。また、睡眠不足は糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病とも関係し、心疾患、脳血管疾患を起こしすくします。
   ヒトはなぜ眠るのでしょうか。それは睡眠によって疲れた脳や体を休ませ、回復させるためです。特に疲れた脳は睡眠でしか回復させることができないのです。睡眠は明日をよりよく活動するためにどうしても必要なものです。
   よい睡眠をとるための生活習慣上の注意点についていくつか説明したいと思います。
(1) 夜眠る前の寝酒は睡眠の質を悪くします。寝酒は睡眠中の無呼吸を起こしやすくし、体が低酸素状態になります。そのため朝すっきりとした寝覚めが得られません。また寝酒は深い睡眠を妨げるため夜中に目覚めやすくなり、いったん目覚めると今度は寝つきにくくなります。アルコールには利尿作用があるので、トイレに行くために目覚めてしまうこともあります。アルコールは夕食の時間までにして寝酒はやめるようにしましょう。
(2) コーヒー、紅茶、緑茶などに含まれるカフェインには覚醒作用、利尿作用があります。これらの飲み物も夜には飲まないようにしましょう。
(3) 夜遅い夕食は本来睡眠によって体のメンテナンスが行われる時間帯に胃腸が働かされて大きな負担がかかります。夕食は少なくとも就寝の3時間くらい前までに済ませておきましょう。
(4) 明るすぎる照明は睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌を抑制してしまいます。眠る前に過ごす部屋の照明は明るすぎないようにしましょう。また、白色蛍光灯ではなくだいだい色の照明の方がよいです。同じ理由で、眠る直前までテレビ、パソコンなどの画面を見るのもよくありません。
(5) 人間は朝目覚めてから15時間後に眠くなるようになっています。朝起きたらしっかり朝日を浴びることが大切です。この時、本来遅れがちになる体内時計がリセットされ、規則正しい睡眠と覚醒のリズムにつながります。寝室のカーテンは15cmくらい開けておき、日の光が徐々に部屋に差し込むようにすると朝すっきり目覚められます。
(6) 午後2時を過ぎた頃に眠気が襲ってくることがあります。これは体内時計のリズムによるもので、一般によくいわれるように昼食後の消化活動のせいではありません。しかし、長い昼寝は夜の睡眠を妨げてしまいます。15分〜20分くらいの短い昼寝は頭をすっきりさせ、夜の睡眠にも影響しません。
(7) なかなか眠れないと心配することはむしろ睡眠を妨げてしまいます。眠れない時は焦ったりせずいったん寝床から出て、音楽を聴いたり本を読んだりと好きなことをして過ごしましょう。最適な睡眠時間は人によって違います。昼間に眠気を感じないのであれば、今眠っている睡眠時間がその人にとってよい睡眠時間なのです。