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健康・病気の知識

肥満とダイエットの誤解

長野中央病院 心臓血管外科医師 山崎 琢磨
長野中央病院 
心臓血管外科医師

山崎 琢磨
 肥満はさまざまな健康障害を引き起こし、動脈硬化や心臓病など生命にかかわる疾患の原因となります。将来、明るく健康な人生を歩むために、若いうちから自分の肥満度を把握し、理想体重を維持することが重要です。
 しかし肥満とダイエットに関する情報が氾濫する中、正しい認識を持っている人は意外に少ないようです。正しい肥満度の算出方法やダイエットについて考えてみましょう。

人類の歴史が肥満をもたらす

 長い人類の歴史の中で、人は飢餓との闘いの中で生き抜いてきました。
 獲物を得たときは腹いっぱい食べ、エネルギーを脂肪細胞に蓄積し、飢餓状態になるとそれを分解してエネルギーに変えて生命を維持します。しかし、現代ではこの機能が裏目に出て、過剰な体脂肪蓄積者、つまり肥満者が出現し、多くの健康障害が引き起こされているのです。
 病態生理学的な肥満の成り立ちをみると、消費を上回る摂取エネルギー量と、余剰のエネルギーを脂肪に合成するインスリン分泌の2つがあります。これに寄与するのが遺伝的要因と食習慣などの環境要因です。この視点から肥満になりやすさのチェック項目をまとめると表のようになります。

BMIで正しい肥満度を把握

 BMIとは体格指数(Body Mass Index)の略で、体重(s)÷身長(m)÷身長(m)で算出され、その標準値は22と定められています。日本肥満学会はBMI25以上を肥満と判定し、疾病にかかりにくい理想体重は身長(m)×身長(m)×22で算出できると提言しています。

内臓脂肪型肥満が危険

血圧脈波検査
 肥満は内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満に大きく分けられますが、動脈硬化や心臓病と関係が強いのは内臓脂肪型肥満です。
 内臓脂肪型肥満は、腹の周りに脂肪がついた体型から「リンゴ型肥満」と呼ばれてます。最近では体脂肪や内臓脂肪レベルを判定できる体脂肪計(写真)が市販されていて、男性では25%以上、女性では30%以上が肥満と判定されます。

正しいダイエットを

 ダイエットの語源はギリシャ語のdiaitaで、その意味するところは「人の生き方」です。
 肥満による弊害は短期間に現れるのではなく、長い人生の中で徐々に現われてきます。それらの弊害を防ぐには、若いときから自分の生き方を見つめなおし、肥満を予防することが大切です。 
 まず体重や体脂肪のモニターを習慣化し、「腹八分目」「乗るより歩け」を実践し、攻めの姿勢で積極的に肥満を予防しましょう。